東京の夜を最も黒く染めた名盤、MONJU『BLACK DE.EP』色褪せない理由
流行がどれだけ移り変わろうとも、決して揺るがない「本物」のヒップホップが東京の地下には存在します。その象徴とも言える作品が、ISSUGI、仙人掌、Mr.PUGの3MCと、トラックメイカー16FLIPからなるグループ・MONJU(モンジュ)が2008年に発表した2nd EP『BLACK DE.EP』です。
1. 16FLIPが創り出す「日本人離れしたドス黒いグルーヴ」
このアルバムの骨組みを支えているのは、第四のメンバーとも称される16FLIPのトラックです。
J・ディラやマットリブ、モブ・ディープといったUSアンダーグラウンドの系譜を強く感じさせつつも、独自のザラついた「ロウでスムースな質感」へと昇華されています。
再生を押した瞬間から漂う、独特な夜の空気感。スモーキーで、どこか退廃的でありながら、強烈に首を振らせるドープビーツは、聴く者を一瞬で東京のアンダーグラウンドへと引きずり込みます。
2. 三者三様、圧倒的なスタイルが交錯する3MC
MONJUの最大の武器は、異なる3人のラッパーによる極上のマイクリレーです。
- ISSUGI: 抜群のキープ・ザ・リアルなスタンスと、卓越したライミング・スキル。流れるようなフロウでビートを完璧に乗りこなします。
- 仙人掌: 聴き手の耳に突き刺さる言葉選びと、圧倒的なリリシズム。ストリートの現実をサンプリングしたようなリリックは、強烈な説得力を放ちます。
- Mr.PUG: どっしりとした存在感で重心を支えるフロウ。二人の間で絶妙なアクセントとなり、楽曲のドープさをさらに際立たせます。ま
この3人が絶妙なバランスで混ざり合い、ペンを走らせることで、最高で最悪な「リアルな東京の視点」が浮かび上がってきます。
3. 『Blackdeep』という、闇を味方にするキラーチューン
全9曲というタイトな構成の本作において、やはりハイライトとなるのはタイトル曲の「Blackdeep」でしょう。
√“暗闇を味方にする音楽の使者”
そう評される彼らを体現したこの楽曲は、不穏ながらも美しいメロディのループと、3人の鋭いラップが見事にシンクロしています。クラブの照明をすべて消し、リスナーの首を振らす、まさにこの曲が持つ「Back」そのものです。
サブスク解禁で、いつでもあの夜へ
かつてはストリートや一部のレコードショップでしか手に入らなかった彼らの音楽ですが、現在は得能直也氏の手によって磨き上げられたリマスター版『Black De.Ep RE:MASTERED』がサブスクリプションでも配信されています。
約25分間という収録時間の中に、日本のヒップホップの純度がこれでもかと凝縮された1枚。今夜は部屋の明かりを少し落として、MONJUが描く普遍的な夜のストリートへ没入してみてはいかがでしょうか。
次回も、名盤をディギン。


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