
**LAZYMUNK(レイジーモンク)**は、日本のヒップホップ/ラップ・プロジェクトで、ラッパーの LazyWii とビートメイカーの BudaMunk によるコラボレーションユニット(アーティスト名義)です。(Manhattan Recordings)
- 🔥 経歴・背景
- 🎶 『LAZYMUNK』 — アルバム概要
- 🎤 活動・イベント
- ① LAZY STANCE
- ② CHANGE
- ③ G.O.T.W (feat. DIESON)
- ④ AUTOMATIC (feat. MuKuRo)
- ⑤ YO (feat. Kojoe)
- ⑥ SKITTLES
- ① キックの特徴
- ② スネアの特徴
- ③ ハイハットの構造
- ④ サンプル配置(Pitch / Chop)
- ⑤ ベースの打ち方
- ⑥ 全体グルーヴ:やや後ろ
- ◆ 1. 拍の“前に出ない”=徹底したレイドバック型
- ◆ 2. 一文字の“締め”が強い(語尾アタック)
- ◆ 3. “徐々にハメる”タイプのフロウ
- ◆ 4. “歌でも喋りでもない領域”の声帯操作
- ◆ 5. スペースの使い方が上手い(余白で魅せる)
- ◆ 6. 子音の抜き差しでリズムを作る
- ◆ 7. 具体的なスタイル近似
- ① EQ:徹底的な“引き算EQ”
- ③ 飽和(Saturation):SP-404 特有のザラつき
- ④ ステレオ処理:ほぼ“狭い”
- ⑤ リバーブ:極小 or ほぼ無し
- ⑥ ビットクラッシュ(Lo-Fi加工)
- 1. BudaMunk のビート構造
- 2. ミックス処理(EQ / Compression)
- 3. LazyWii のフロウ分析
- 4. 2人の音楽がハマる理由(総括)
🔥 経歴・背景
🎤 LazyWii(レイジーウィー)
- 日本のラッパーで、沖縄を拠点に活動するアーティスト。
- Kojoe 主宰のレーベル/スタジオ J.Studio 098(沖縄支部) に所属。(Manhattan Recordings)
- 個性的な声と巧みなフロウ(ラップのリズムと表現)が特徴で、LA(ロサンゼルス)のアンダーグラウンドヒップホップ・スタイルともミックスしたスタイルが評価されています。(スピンコースター)
🎧 BudaMunk(ブダ・モンク)
- 長年日本のヒップホップ・アンダーグラウンドシーンで活躍してきた ビートメイカー/プロデューサー。(Manhattan Recordings)
- MONJU、5lack などとも関連するビートメイクの経験があり、ヒップホップ制作の核となるビート構成を得意としています。(スピンコースター)
※出身地について
LazyWii は沖縄を拠点とすることが分かっていますが、具体的な出身地(市区町村などの詳細な出身地)は公式な公開情報では確認できませんでした(現時点)。BudaMunk についても具体的な故郷・出身地情報は公表されたプロフィールでは見つかっていません。
🎶 『LAZYMUNK』 — アルバム概要
- タイトル: LAZYMUNK
- アーティスト: LazyWii & BudaMunk
- 発売日: 2025年10月24日(金)(Apple Music – Web Player)
- レーベル: J.Studio / Manhattan Recordings / LEXINGTON Co., Ltd (Apple Music – Web Player)
- ジャンル: ヒップホップ / ラップ (Apple Music – Web Player)
- 収録曲数: 全 8 曲 (スピンコースター)
- 再生時間: 約 22 分 (Apple Music – Web Player)
📀 収録曲例
- LAZY STANCE
- CHANGE
- SATURDAY NITE
- G.O.T.W (feat. DIESON)
- HIGHSIDE
- AUTOMATIC (feat. MuKuRo)
- YO (feat. Kojoe)
- SKITTLES (スピンコースター)
🎤 アルバムの特徴
- LazyWii の沖縄ルーツや LA アンダーグラウンドの要素が混ざった 個性的でドープなラップが中心。(スピンコースター)
- BudaMunk の 重厚でエッジの効いたビートが作品全体を支え、リズムと音像に深みを加えています。(スピンコースター)
- Kojoe、DIESON、MuKuRo といった同レーベルのアーティストが客演参加しており、シーンの仲間たちとのコラボ感も強い作りです。(スピンコースター)
🎤 活動・イベント
- 2025年11月1日(土)には、東京・渋谷 clubasia にて『J.Studio 098 Presents “LAZYMUNK”』と題したリリースイベントも開催されました。LazyWii と BudaMunk がヘッドライナーとして出演しています。(clubasia.jp)
LAZYMUNK は、沖縄拠点の注目ラッパー LazyWii と、日本のヒップホップビートメイキングを支える BudaMunk という二人の個性が融合したプロジェクトです。アルバム『LAZYMUNK』は、ドープなトラックと巧みなラップ、そして豪華な客演陣によって、2025 年の日本ヒップホップシーンの注目作の一つとなっています。(Apple Music – Web Player)
🔥 LAZYMUNK 代表曲おすすめ & 聴きどころ解説
① LAZY STANCE
アルバムの導入として最高の自己紹介曲。
- LazyWii の “肩の力の抜けた脱力フロウ” が一発で掴める。
- BudaMunk の ローファイ × ブーンバップの混合ビートが、空気の「湿度」まで感じさせる。
- リズムの取り方が独特で、あえて拍の裏を潰し気味に跳ねるのが魅力。
→ LA / 沖縄 / 日本の地下が全部ミックスされたような“粘り”が最高。
聴きどころ:
- フロウは一見スローだがアタックが鋭く、声の倍音がビートの低域に綺麗にハマる。
- 「Lazy」= だらけた ではなく、“自分の速度で進むスタンス” を提示してる感じ。
② CHANGE
メロウ × 哀愁 のLAZYMUNKらしさ全開。
- LazyWii のラップが最も“歌うように流れる曲”。
- サビ部分の輪郭が曖昧なメロディが中毒性あり。
- BudaMunkのチョップしたサンプルが隙間だらけで、逆に空間が深い。
聴きどころ:
- 小節の終わりに必ず“息を残す”ようなフロウ処理。
- シンプルなビートなのに “気分が変わる瞬間” のムードを音像で作っている。
③ G.O.T.W (feat. DIESON)
アルバムでも一番ストリート色が濃い曲。
- DIESON の低重心の声が LazyWii と対照的でめちゃハマる。
- BudaMunk のビートは 90s West Coast の陰の部分を日本的に再解釈したようなムード。
聴きどころ:
- LazyWii の攻めず・煽らず・重く沈むラップがシリアスで格好いい。
- 二人の声質が“夜”の空気を作る。
④ AUTOMATIC (feat. MuKuRo)
沖縄勢の連携が光る 1 曲。
- MuKuRo が登場すると一気に“沖縄の湿度と土の匂い”が増す。
- ビートはかなりシンプルなのに、二人のラップの抑揚が強くて聴き飽きない。
聴きどころ:
- LazyWii は音数の少ないビートのほうが本領を発揮するタイプ。
- 言葉の“詰めすぎない間”が魅力。
⑤ YO (feat. Kojoe)
Kojoe 参加で最もハードな質感になる曲。
- Kojoe のラップが入る瞬間に “床が揺れる” ような密度が生まれる。
- LazyWii は Kojoe との絡みだといつもの脱力だけでなく、リズムの切れ味が増すのが面白い。
聴きどころ:
- 2MC の声質が全く違うのに見事に噛み合う。
- Kojoe のヴォーカル処理(コンプレッションのかけ方)が BudaMunk のビートとズレない。
⑥ SKITTLES
アルバム締めのカラフル&ドリーミーな1曲。
- サンプルの浮遊感が強く、ビート・アートとしての BudaMunk の美学が最も表れてる。
- LazyWii のラップも柔らかく、アルバム全体の“夜→朝”を感じさせる締め。
聴きどころ:
- フロウの“余韻”を聴く曲。
- 文脈を締める役割のあるトラックで、ストーリー性を感じる。
🌙 アルバム全体の聴くコツ
① “声とビートの重さの対比” を楽しむ
LazyWii の軽めで粘着質なフロウと
BudaMunk の暗くて重いビートが
対照的でありながらベストマッチ。
② 夜に合う
- BPM は全体的に遅め
- 中域の音を削ったローファイ質感
- 低音が広がらず“沈む”タイプ
→ 深夜・移動中・雨の夜の相性が抜群。
③ LA / 沖縄 / 日本地下 の三層が重なる
- LazyWii → 沖縄拠点、LA的なラップの馴染み
- BudaMunk → 東京地下ビートの象徴
- 客演陣 → 沖縄 / 東京が混ざる
この “地理ミックス” が独特な色を作ってる。
🎧 BudaMunk のビート構造(LAZYMUNK期の傾向)
① キックの特徴
■ a. 「ドン」のアタックが柔らかい
- キックは アタックが丸く、余韻が短い。
- 808 みたいに伸びない、SP-1200 的な短い低音。
→ LazyWii の丸めたフロウがしっかり抜けるように、下が“ぶわっと膨らまない”キックを使う。
■ b. 非対称の配置
基本はブーンバップの 1拍目&3拍目付近に落ちるけど、
そこから 半拍ズラす のが BudaMunk の個性。
例:
1 & 2 & 3 & 4 &
K - k -
↑ 3拍目のキックを少しレイドバックさせる。
- MIDI でグリッドに置いた感じではなく、手弾きで軽くズレている。
- これが「ビートが波打つ感じ」「飲み込まれるグルーヴ」になる。
② スネアの特徴
■ a. 位置は “ほぼ” 2拍目・4拍目
しかし **完全なジャストではなく、微妙に“後ろ”**にある。
→ ヒップホップでいう “ドラァグしたスネア”。
■ b. 音色は乾いてる(ドライで短い)
- サンプルのスネアを使い、
- リリース短め
- トランジェントは強くない
→「パスッ」「チャッ」という質感。
LAZYMUNK のドープな空気は
この“湿度の低いスネア” がかなり作ってる。
■ c. 2種類レイヤーが多い
- 高めの「パチッ」
- 低めで少し太い「ドスッ」
この二つを重ねて、“厚みはないのに芯が強い”スネアを作る。
③ ハイハットの構造
■ a. 8分 or 16分だが「均一じゃない」
- ハイハットの長さ
- ベロシティ
- ズレ
これをすべてバラバラにする。
→ 「打ち込み感ゼロ」になるため、ハイハットは手癖で揺らす。
■ b. 開きハットが非常に弱い(ほぼ環境音)
- ほんの少しだけ開いたハットが、
サイドに広がる感じで入っている。
→ ミックスで“右か左に薄く漂う”感じ。
④ サンプル配置(Pitch / Chop)
これは BudaMunk の代名詞。
■ a. ピッチ下げ(-3 〜 -7)
特徴的な暗いムードは
サンプルのピッチをかなり下げて生まれる。
- ボーカルっぽいコーラス
- ジャズのピアノ
- シンセパッド
などが 重く沈むトーンになる。
■ b. 細かいチョップ(短い切り刻み)
ただループするのではなく、
0.2〜0.4秒の短い音切片を組み直してメロディを作る。
LAZYMUNKの “LAZY STANCE”“CHANGE” などは典型。
■ c. 隙間が多い
BudaMunk は“鳴ってない時間”を作る人。
- サンプル
- ピアノ
- パーカッション
どれも「引き算」の作りで、余白で雰囲気が出る。
⑤ ベースの打ち方
■ a. キックに重ねるのではなく“避ける”
多くのビートメイカーは
キックとベースを同時に鳴らして重低音を出すが、
BudaMunk は キックとベースをズラす。
例:
Kick → Bass → パンッ(遅れて入る)
→ 重くならないから、言葉が沈まない。
■ b. サイン波系より “丸いベースギター音色”
- サイン波 808 ではなく
- サンプルのベースや、ベースギター質の音を使用
→ 太くないけど、温度が低い“地下感”が生まれる。
⑥ 全体グルーヴ:やや後ろ
BudaMunk の最強ポイントはこれ。
- キック:少し後ろ
- スネア:明らかに後ろ
- 8分ハイハット:表のタイミングをわざと曖昧にする
→ 全体が“後ろに倒れていくグルーヴ”になる。
LazyWii の脱力フロウにドンピシャで合う理由。
🎛 LAZYMUNK のサウンドをまとめると…
✔ ビートは ブーンバップ 基調
✔ しかし グリッドからズレた“揺れ”を重視
✔ 音数は少ない(ミニマル)
✔ サンプルは暗めのピッチダウン
✔ 低音は“沈む”より“浮遊する”タイプ
✔ ボーカルが主役に聞こえるように低域を削る
LazyWii の個性に合わせた スペースの多いビート設計 が、BudaMunk のプロデュースの上手さでもある。
了解。
ここでは LazyWii のフロウ(Flow)を専門的に“構造から”分析するよ。
LAZYMUNK のアルバムでのスタイルを軸に、
→ 結果、**「酔ったように沈む」「気怠いのに芯がある」**という独特な感じが出る。
✔「ズレてる」のではなく「溶けてる」
BudaMunk のスネアが後ろに倒れているので、
LazyWii がさらに後ろで構えると
ビートとラップの“間の溝”が深くなる。
→ これが LA underground、Oxnard系(MED / Blu / Dibiase)にも近い。
🎤 LazyWii のフロウ分析(LAZYMUNK期)
◆ 1. 拍の“前に出ない”=徹底したレイドバック型
LazyWii の最大の特徴はここ。
✔ 常にビートの後ろに座る
- 2拍目・4拍目に対して 数ミリ遅れて入る
- アタック(発声の最初)が丸く、遅れを強調
→ 結果、**「酔ったように沈む」「気怠いのに芯がある」**という独特な感じが出る。
✔「ズレてる」のではなく「溶けてる」
BudaMunk のスネアが後ろに倒れているので、
LazyWii がさらに後ろで構えると
ビートとラップの“間の溝”が深くなる。
→ これが LA underground、Oxnard系(MED / Blu / Dibiase)にも近い。
◆ 2. 一文字の“締め”が強い(語尾アタック)
LazyWii は語尾の処理が特徴的。
✔ 語頭:柔らかい
✔ 語尾:急に硬く締める
例)
「—わ」
「—ん」
「—や」
の 最後の子音だけ鋭く置く。
→ この技術で、脱力の中にも“押し出し感”が出てる。
→ 言葉がフワッと飛ばずに、ビートの谷間にしっかり落ちる。
◆ 3. “徐々にハメる”タイプのフロウ
LazyWii のフロウは、最初から一定テンポではない。
✔ 小節前半:散らばる
- 拍を跨ぐ
- 単語を切らない
- 呼吸を長く使う
✔ 小節後半:カチッとはめる
- 語尾を強く落とす
- リズムを詰めていく
- 小節4拍目に合わせて吸着する
→ “無造作 → 精密”へ収束する流れが中毒性の源。
◆ 4. “歌でも喋りでもない領域”の声帯操作
LazyWii は ピッチ操作が非常に独特。
✔ ほぼ一定の音程で喋る
→ いわゆる monotone rap に近い。
✔ でも語尾だけ微妙に上げ下げする
→ この小さな抑揚で「ダルいのに美しい」に聞こえる。
✔ 倍音が豊か(鼻腔+喉の中間で響かせる)
→ ビートの低域を邪魔せず、混ざり方が良い。
◆ 5. スペースの使い方が上手い(余白で魅せる)
LazyWii は「詰めるラッパー」ではなく
“抜くラッパー”。
✔ ラインとラインの間に長い休符
→ この“止まる間”が独特の重力を生む。
✔ 必要以上に畳み掛けず、ゆっくり喋り続ける
→ だからどんなビートでも沈むようにハマる。
→ この点が Kojoe との相性も良い要因。
◆ 6. 子音の抜き差しでリズムを作る
LazyWii の細かい技術。
✔ 母音は長く伸ばしがち
✔ 子音は“消す or 目立たせる”
この切り替えが巧い。
- “s / k / t / r ”
- “ん / る / わ ”
などを小節の“端”に置くことで、
言葉そのものがリズム楽器になる。
◆ 7. 具体的なスタイル近似
LazyWii に最も近い系統は:
✔ Blu(LA)
レイドバック×淡々系。
✔ MED / Declaime(Oxnard)
拍に後ろ乗りで語尾の丸いタイプ。
✔ Earl Sweatshirt 初期
感情を抑えた湿度のある語り方。
✔ Kojoe に近いが、LazyWii は“もっと空気”
Kojoe は筋肉質
LazyWii は半分霧みたいな存在感。
ビートの隙間に“溶ける”のが最大の魅力。
🎤 LazyWii のフロウをひと言でまとめると?
「後ろ乗り・淡音・語尾締め・余白の魔術」
この4つの要素で
BudaMunk の沈むビートに完全に溶けるフロウを作っている。
これが LAZYMUNK の美学の核になってる。
ここでは BudaMunk × LazyWii の「LAZYMUNK」系ビートが“どういうミックス処理(EQ / 圧縮 / 空間 / 飽和)で作られているか” を、エンジニア視点で深掘りする。
これは一般的な日本のヒップホップではなく、
ローファイ × ブーンバップ × SP/MPC系 の“暗い質感”を作る特殊なミックス手法。
🎛 BudaMunk のビート:ミックス処理の特徴まとめ(LAZYMUNK期)
① EQ:徹底的な“引き算EQ”
BudaMunk は 足すより引くタイプ。
✔ 低域は「膨らませない」
- 50〜80Hz
→ ほぼ削る or 軽くローシェルフで抑制 - 100〜150Hz
→ キックが一番聞こえる帯域だけ残す - 200〜350Hz
→ ここを大胆に落として“こもり”を消す
→ これにより “沈む低音” ではなく “薄くて硬い低音” になる。
LazyWii の声が濁らない理由。
✔ 中域は大胆に切り刻む(サンプルの濁りをコントロール)
- サンプルの 箱鳴り を落とすために
500〜1.2kHz を結構削る。
→ これが “暗いのに抜ける” という独特の質感を作る。
✔ 高域は完全に丸める
- 7kHz以上は軽く落としてザラザラのローファイ質感。
- ハイハットが「シャッ」ではなく「ヒュッ」みたいな音になる。
→ 近年のトラップ/ブーンバップと真逆。
② コンプレッション(圧縮):“ほぼやらない”のがポイント
BudaMunk は 個別トラックへの強いコンプを避ける。
✔ キック:軽めのアタック強調(ただし短い)
- アタックを少し出すために弱いコンプ
- でも“潰す”ことはしない → 余韻を残さない
✔ スネア:コンプなし or 極弱
→ スナップを出すために素材そのまま使う。
✔ サンプル:ほとんど無圧縮
→ ダイナミクスの揺れを残す。
→ だから**手触りが生々しく、古いレコードの“上下の揺れ”**が聞こえる。
③ 飽和(Saturation):SP-404 特有のザラつき
BudaMunk のミックスは、
実は EQ より **飽和(サチュレーション)**の比率が高い。
✔ SP-404(OG or SX)特有の質感
- 小さな歪み
- 高域の丸まり
- アタックの潰れ
- ローファイのザクザク感
→ 全体が「柔らかく壊れた質感」になる。
✔ サンプルは少しクリップさせる
波形が軽く潰れている。
意図的な ソフトクリッピング。
→ “ジャリッ”とした質感はこれ。
④ ステレオ処理:ほぼ“狭い”
BudaMunk のビートは驚くほどステレオが狭い。
✔ ドラム → ほぼモノ
- キック
- スネア
- ハット
全部センター寄り。
→ LazyWii の声が前に出るため。
✔ サンプル → 左右に薄く散らす
- ピアノの残響
- コーラスの余韻
- パーカッションの一部
を 薄くステレオに広げる。
→ こうすると、
**“ラップは中央、ビートは背景で揺れる”**構造になる。
⑤ リバーブ:極小 or ほぼ無し
LAZYMUNK の世界観を支えるのはこれ。
✔ ほぼドライ
→ 空間系はほんの少しだけ。
- ハット
- サンプルの後ろ
- バッキングの隙間
に 極小ルームを混ぜる程度。
→ 「濡れた音」ではなく
**“乾燥した闇”**を作りたいタイプ。
⑥ ビットクラッシュ(Lo-Fi加工)
SP、MPC、404系の機材らしさ。
✔ 低ビット化
→ サンプルは12bit風のザラザラ感。
✔ ハイ落ちのザクザク感
→ SP-404 の“Vinyl Sim”系の質感。
✔ サンプリング時点でフィルターをかけて録る
BudaMunk は「録ってからEQ」ではなく
録る段階でハイ削り・ローカットする。
→ ビート制作段階で“完成した音像”が出来上がる。
⑦ 全体ミックス:ラップのための“空間をあける”
BudaMunk のミックスは
ラップを“押し出す”というより
邪魔しないスペースを作る方向。
✔ 低域 → 出しすぎない
✔ 中域 → わざとスカスカ
✔ 高域 → ハット以外出さない
✔ ラップの帯域(1〜3kHz)を空けておく
だから LazyWii が淡々と喋るだけで
すっと前に出る。
🎧 ミックスまとめ
BudaMunk のビートは、EQ で削って、コンプは弱く、飽和で味付けし、ステレオを狭めて、余白を作る。
その“余白 = LazyWii が溶け込む場所”。
◆ BudaMunk × LazyWii の音楽的特徴
1. BudaMunk のビート構造
● キック/スネア配置
- キックは ワンポイント重心(1拍目・3拍目寄り) に置き、
そこから ゴーストキックや弱い突っ込みを混ぜて “揺れ” を作る。 - スネアは基本 裏拍(2拍目・4拍目) だが、
ほんの少し遅らせたレイドバック、あるいは逆に少し前のめりの曲もある。 - 結果として、
「量子化しすぎない自然なズレ」=LO-FI/LA ビートのようなゆるいグルーヴが生まれる。
● ドラムの質感
- サンプラー(SP-303/404、MPC系)の特徴である
ざらっとした高域、丸い低域、短く切れた音像 が基盤。 - スネアの残響が短く、乾いた質感。
それがミニマルで中毒性のある “BudaMunkらしい” タイム感を作る。
2. ミックス処理(EQ / Compression)
● EQ
- 低域(Kick):40–60Hz は控えめ、80–120Hz をやや持ち上げて“芯”を作る。
→ ローが重すぎず、BOOM-BAP の太さだけ残る。 - 中域(サンプル):200–600Hz を薄く削って“モコり”を抑える。
→ サンプルの曇りを取りつつ、耳に残る中音は残す。 - 高域は基本「切る」方向。
→ ローファイ感、ビンテージ感を作る。
● Compression
- ドラムバスを軽く叩く(2–4dB 程度)。
→ アタックを生かし、音圧より“まとまり”を重視。 - サンプルは 軽めのコンプ or ほぼ無圧縮。
→ 元ネタの空気感・テープ感を損なわないため。 - 全体として 音圧より質感優先。
3. LazyWii のフロウ分析
※ LAZYWii / LAZYMUNK 名義に共通する特徴的フロウとして整理。
● 拍に対する姿勢
- 「ドラムよりやや後ろ」に立つレイドバック型。
とくに母音を引っ張るタイミングが遅れ気味で、
ビートとの“ずれ心地”が独特のトリップ感を生む。
● ライムの置き方
- 末尾ライムよりも 文中の内部ライム(middle rhyme) が多い。
→ スムーズなフロウの原因。 - 1小節内の語数は少なめで、
スペース(間)を聴かせるタイプ。
● 声色/発声
- 力みを抑えた “脱力トーン”。
- 故意に子音を弱め、“こもる感じ”で
ビートの低域と混ざるような声を作っている。 - これは BudaMunk のドラムと非常に相性が良い。
● 全体として
- BudaMunk の揺れるビートに対し、
LazyWii のフロウは「乗る」より「浮かぶ」感覚で、
グルーヴ面で“空間系の相性”が非常に高い。
4. 2人の音楽がハマる理由(総括)
✔ (1) 低域の量感と声の位置が同じ世界観
- BudaMunk の丸い低域
- LazyWii の曇らせた声色
→ “低い位置に沈む音像”で統一される。
✔ (2) ドラムの「わざと曖昧なタイミング」にフロウがフィット
- BudaMunk は強制的にキッチリ刻ませないビート
- LazyWii は語尾を遅らせるフロウ
→ 2人とも 「揺れ」こそ気持ちよさの中心に据えている。
✔ (3) ミックスが“空間の抜け”を残す
- ローファイな減高域処理
- スネアの短い残響
- LazyWii の発声の間
→ 音と音の“隙間”が音楽そのものになっている。
◆ 全体の印象
BudaMunk は「揺らすビートの建築家」。
LazyWii はその上を“漂う”ミニマル・フロウ。
ローファイ × 間(Space)で成立する独自の空気感が核。
是非、聴いてほしい1枚


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