
Jennifer Lopez – This Is Me… Then(2002)
ジェニファー・ロペスのキャリアの中でも最もパーソナルで、恋愛色が強いアルバムとして有名。特に当時交際していた ベン・アフレック(“Bennifer”) への想いが色濃く反映されていることで知られる作品。
◆ アルバムの概要
- 発売:2002年
- 音楽性:R&B/ポップを中心に、ソウル寄りの暖かい質感。
- テーマ:
- 恋愛、献身、パートナーへの深い愛情
- 過去の自分 vs “いまの自分” というアイデンティティ
- 代表曲:
- “Jenny from the Block”(J.Loの代表曲。自身の出自を誇る内容)
- “All I Have” (feat. LL Cool J)(USチャート1位)
- “I’m Glad”(80s風ダンスを取り入れたバラード)
◆ この作品の特徴(深掘り)
1. “ベン・アフレック時代のJ.Lo”を封じ込めたアルバム
- 収録曲 “Dear Ben” はタイトル通りベンに向けたラブソング。
- アルバム全体のトーンが 「恋愛に浸っているJ.Lo」 で統一されている。
2. 音の質感は“ウォームでソウルフル”
プロデューサー陣は
- コリ・ルーニー(J.Lo作品の中心人物)
- トラックマスターズ(NY的R&B)
- ミッドテンポのソウルループと柔らかいドラム
といった面々で、2000年代初期R&Bの王道サウンド。
3. “Jenny from the Block”の象徴性
- パパラッチ批判
- 成功してもルーツを忘れないという宣言
- サンプリングは Boogie Down Productions “South Bronx” など
→ J.Lo のイメージを決定づけた曲。
◆ どんな風に聴くアルバム?
- “J.Loの私生活をそのまま音にしたアルバム” として聴くといちばん理解しやすい。
- きらびやかなポップスター像+ブロンクス出身のストリート的自己主張が混ざった独特のバランス。
- 初期J.Loの中で最も物語性が強い。
🎯 主な曲の意味とサンプリング元
| 曲名 | 意味/テーマ | サンプリング元・インターポレーション元など |
|---|---|---|
| Still | 別れた恋人への想い。「もし別れなければ…」といった、別れの後悔や“昔の想い”を歌う曲。アルバムの冒頭として、感情的な導入。 (ウィキペディア) | Set Me Free(Teddy Pendergrass)のサンプル。 (jenniferlopez.fandom.com) |
| Loving You | 恋愛の甘さとロマンチックな気持ち — 恋人への愛情や親密さを歌う。アルバム全体の「大人のラブソング」側面を象徴する曲。 | サンプリングに Juicy Fruit(Mtume)と Never Give Up on a Good Thing(George Benson)を使用。 (jenniferlopez.fandom.com) |
| I’m Glad | 「やっと本当の愛を見つけた」「恋に落ちた」という喜び、感謝、安堵 — 新たな愛の確信や幸福感を歌うラブバラード。 (ウィキペディア) | サンプリングに P.S.K. What Does It Mean?(Schoolly D)を使用。 (ウィキペディア) |
| The One | 「運命の人」「唯一の人(The One)」という想い — 恋人に対する深い愛情と献身を歌う。 | インターポレーション(意味を受け継ぐ形)で You Are Everything(The Stylistics)を使用。 (jenniferlopez.fandom.com) |
| Dear Ben | 当時の恋人(Ben Affleck)への公開ラブレター。彼への愛、献身、未来への誓い — アルバムの中で最も“パーソナルで直球なラブソング”。 (ウィキペディア) | 特殊なサンプリングよりも、ストリングスとシンプルな伴奏で感情を前面に出す構成。 (ウィキペディア) |
| All I Have(feat. LL Cool J) | 失恋後の別れを受け入れつつも、その思い出と感謝を歌うバラード。別れや喪失、でも「あなたとの日々は特別だった」という複雑な感情を表現。 (ウィキペディア) | サンプリングに Very Special(Debra Laws)を使用。 (ウィキペディア) |
| Jenny from the Block(feat. Styles P & Jadakiss) | 成功や名声を手に入れても「地元出身の普通の女の子」「元の自分」を忘れない、というメッセージ。成功後も謙虚さ、自分のルーツへの誇りを歌う。 (ウィキペディア) | サンプリングやインターポレーション多数:Hi‑Jack(Enoch Light & the Light Brigade)、South Bronx(Boogie Down Productions)、Heaven and Hell Is on Earth(20th Century Steel Band)などを使用。 (jenniferlopez.fandom.com) |
| Baby I Love U! | 恋人への深い愛情、ロマンチックで情熱的な気持ち — 「一夜でいい、永遠のような気持ちを」という甘く切ないラブソング。アルバムの“感情のピーク”のひとつ。 (ウィキペディア) | 映画のサウンドトラック的な雰囲気。Midnight Cowboy Theme(John Barry)のメロディをインターポレーション。 (ウィキペディア) |
🔎 補足ポイント — アルバム全体の文脈とサウンド
- アルバム全体が、当時の恋人ベン・アフレックとの関係や、過去〜現在の「自分のルーツ vs 今の自分」をテーマにしていて、非常にパーソナルで感情的。 (jenniferlopez.fandom.com)
- サウンドの特徴としては、70〜80年代ソウル、R&B、古いヒップホップの要素を多く取り入れており、昔の録音(サンプリング)を大胆に使うことで “ノスタルジックかつモダン” な雰囲気。 (Slant Magazine)
- 特に “サンプリング + 新しいアレンジ + J.Lo の歌声” という構成が、アルバムに「過去と現在」「地元とスター」の二重テーマを持たせていて、それがこのアルバムの魅力のひとつ。 (Albumism)
🎛️ 制作スタッフ
プロデューサー & 作曲/作詞参加者(トラックごとに)
以下はアルバム収録の各トラックに関するクレジットの一例。(Grokipedia)
| トラック名 | 作詞/作曲 (writers) | プロデューサー (producers) |
|---|---|---|
| “Still” | Jennifer Lopez, Rich Shelton, Kevin “K.D.” Veney, Loren Hill, Leonard Huggins, LeRoy Bell, Thom Bell (Grokipedia) | Cory Rooney, Rich Shelton, Kevin Veney (Grokipedia) |
| “Loving You” | Troy Oliver, Cory Rooney (+他補助) (Grokipedia) | Cory Rooney, Troy Oliver (Grokipedia) |
| “I’m Glad” | Jennifer Lopez, Troy Oliver, Cory Rooney, LaShawn Daniels (Grokipedia) | Cory Rooney, Troy Oliver (Grokipedia) |
| “The One” | Lopez, Rooney, Oliver (+場合により他) (Grokipedia) | Rooney, Oliver (Grokipedia) |
| “Dear Ben” | Lopez, Rooney (Grokipedia) | Cory Rooney (Grokipedia) |
| “All I Have” (feat. LL Cool J) | Lopez, Rooney, Daniels, Makeba, Scott “Poke” Storch, Jean-Claude Oliver, Jennifer “Ms. K” Kemp, Ronald “Amen-Ra” Lawrence, Lawrence “JR” Jefferies (Grokipedia) | Scott Storch, Jean-Claude Oliver (“Poke & Tone”) (Grokipedia) |
| “Jenny from the Block” (feat. Styles P & Jadakiss) | Lopez, Storch, Oliver, Larry “Dott” Dottino, Andre R. Jackson, Scott “Shawty Rock” Johnson, Tim “TJ” Allen, Lawrence Jefferies (Grokipedia) | Scott Storch, Oliver (“Poke & Tone”) (Grokipedia) |
| “Feel It” | Lopez, Rooney, Oliver (Grokipedia) | Rooney, Oliver (Grokipedia) |
| “Hold You Down” (feat. Fat Joe) | Lopez, Rooney, Daniels, Joe, Edward “Eddie Kool” Jordan, Scott “Shawty Rock” Johnson (Grokipedia) | Rodney “Darkchild” Jerkins (Grokipedia) |
| “Baby I Love U!” | Lopez, Rooney, Daniels, Sean McMale (Grokipedia) | Cory Rooney, Dan Shea (Grokipedia) |
| “The Reel Me” (hidden track) | Lopez, Rooney, Irv Gotti, Andre “Mr. E” Lewis, Carvin “Beat Fanatic” Haggins, Steve “Static” Russell (Grokipedia) | The Neptunes (Grokipedia) |
- 全体として、最重要プロデューサー/エグゼクティブ・プロデューサーは Cory Rooney。(jenniferlopez.fandom.com)
- 他にも、Troy Oliver, Scott “Poke & Tone” Storch, Dan Shea, Rodney “Darkchild” Jerkins, The Neptunesといった豪華なプロデューサー陣が参加。(jenniferlopez.fandom.com)
🎤 演奏者・エンジニア・コーラス等
- ボーカル:Jennifer Lopez がリードおよびバック・ボーカルを担当。(Grokipedia)
- バック/コーラス・ボーカル:Makeba Riddick、LaKindra Pierce、Natasha Ramos、Tavia Ivey、Shelene Thomas などが複数トラックで参加。(Grokipedia)
- 主要ミュージシャン
- ドラム:Omar Hakim — 複数トラックで生ドラム。(Grokipedia)
- ベース (Bass guitar):Verdine White — 一部トラックで参加。(Grokipedia)
- ギター、キーボード、プログラミング等:Troy Oliver(キーボード/ドラム・プログラミング)、Dan Shea(キーボード)など。(Grokipedia)
- ストリングス・アレンジ:Larry Gold — いくつかのバラード/ミッドテンポ曲でストリングスをアレンジ。(Grokipedia)
- エンジニアリング / ミキシング / マスタリング
- ミキシング・エンジニアに、音楽界の重鎮 Bruce Swedien。彼の参加で、過去(たとえば Michael Jackson の作品など)で培われたサウンドの質感が本作にも反映されている。(Albumism)
- 最終マスタリングはHerb Powers が担当。(Grokipedia)
- アート/A&R など
- A&R コーディネーション:Ken Komisar が担当。(Grokipedia)
- アートディレクション&デザイン:“Mass and Peploe” がアルバムのアートワークを担当。(Grokipedia)
🔎 背景・文脈としての制作体制の特徴
- 本アルバムでは、Jennifer Lopez 自身が 過去作品に比べて大幅に作詞/作曲に深く関わっており、9曲以上でクレジットがある。これによって “より本人の想い・ストーリー” が反映された作品となっている。(Grokipedia)
- サウンド面では、過去のポップ/ラテン寄りの作品から一歩踏み出し、R&B やヒップホップ、70〜80s ソウルの影響を色濃く受けたプロダクションがなされている。特に生演奏(ドラム、ギター、ベース、ストリングス)を多用し、シンセだけに頼らない“あたたかくソウルフルな”質感が目指された。(Grokipedia)
- この方向転換とサウンドの一貫性において、Bruce Swedien のミキシング/エンジニア起用は非常に象徴的 — 過去のクラシックなR&B/ポップ・サウンドの感覚を現代に蘇らせる効果があった。(Albumism)
📀 Jennifer Lopez – This Is Me… Then(2002)アルバムまとめ
◆ 1. どんなアルバム?(一言で)
J.Lo のキャリアで最もパーソナルで、“恋に落ちていた瞬間” をそのまま閉じ込めたラブアルバム。
当時の恋人 ベン・アフレック への愛情・葛藤・幸福感が全編に漂う、彼女の私生活と心情を強く反映した作品。
◆ 2. 音楽性の特徴
- 2000年代初期R&Bの王道サウンド
- 70〜80年代 ソウル/R&B/ヒップホップのサンプリング を多用
- 生演奏(ドラム、ベース、ストリングス)が温かさを補強
- 都会的だけど、心の距離が近い“ウォームでロマンチック”な質感
→ いわゆる「ポップスターJ.Lo」よりも、“R&BアーティストとしてのJ.Lo” が前面。
◆ 3. テーマ・物語性
アルバム全体の物語は以下の3軸:
◎ (1) 愛に満ちた時期のリアル
特に Dear Ben、Baby I Love U!、The One は“恋がピークのときの心境”。
◎ (2) 自分のルーツ(ブロンクス) vs スターとしての現在
“Jenny from the Block” で象徴的。
有名になっても地元の価値観を忘れないという宣言。
◎ (3) 私生活・恋愛・ルーツが一体化した作品
恋愛曲、失恋曲、自分語りがスムーズに一本に繋がっている。
◆ 4. 代表曲
- Jenny from the Block — キャリア代表曲。ルーツ宣言。
- All I Have (feat. LL Cool J) — 全米1位の名バラード。
- Baby I Love U! — シネマティックでロマンチックな名曲。
- Dear Ben — 恋の“ど真ん中”をそのまま歌詞にした曲。
◆ 5. 参加プロデューサーの強さ
このアルバムは、“2000年代R&Bのドリームチーム”状態。
- Cory Rooney(中心プロデューサー)
- Troy Oliver
- Trackmasters(Poke & Tone)
- Scott Storch
- Rodney “Darkchild” Jerkins
- Dan Shea
- The Neptunes(隠し曲)
→ どの曲もプロダクションの質が非常に高い。
◆ 6. サウンドのキーポイント
- Boogie Down Productions, Mtume, Debra Laws, 20th Century Steel Band など、ヒップホップ的サンプリング
- “South Bronx” の引用により、J.Lo の出自を音でも強調
- Bruce Swedien(MJ作品の名エンジニア)参加による高い音質
◆ 7. どんな気分のときに合う?
- ロマンチックな気持ちのとき
- 少しセンチメンタルな夜
- 90s〜2000sのソウルフルなR&Bが好きな人
- 都会的だけど温かい音が聴きたいとき
🌟 総合まとめ
“This Is Me… Then” は、Jennifer Lopez というスターのイメージを超えて、
彼女の素顔・恋愛・ルーツをもっとも深く表現したアルバム。
華やかなポップから一歩踏み込み、
ソウルフルな質感 × 私的な物語 が美しく融合した、
2000年代R&Bの名作と言える作品。
冬になると聴きたくなる1枚、是非。


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