google-site-verification=KkHMGGnP-7jabwpq0AXpXVly_X_ncmahoyvfrWV--- 90s hiphop 『MAIN SOURCE』 | almighty

90s hiphop 『MAIN SOURCE』

Life is...

🔥 Main Source – Fuck What You Think (1994)

レーベル:Wild Pitch Records
メンバー:K-Cut / Sir Scratch(※Large Professor は脱退して不参加)
客演:Mikey D(新メンバーとして MC を担当)

🟣 Main Source – 出身地

Large Professor(Large Pro)

  • アメリカ・ニューヨーク州 クイーンズ(Queens)
     地区:Flushing / Corona 周辺

K-Cut

  • カナダ・オンタリオ州 トロント(Toronto) 出身
  • 後にクイーンズへ移住して活動

Sir Scratch

  • カナダ・オンタリオ州 トロント(Toronto) 出身
  • K-Cut の兄弟。Main Source はトロント発のユニットとして始動。

Mikey D(“Fuck What You Think” でのMC)

  • アメリカ・ニューヨーク州 クイーンズ(Queens)
     地区:Laurelton / Queens Village

    1. Large Professor(Large Pro)
    2. K-Cut
    3. Sir Scratch
    4. Mikey D(“Fuck What You Think” でのMC)
  1. ■ このアルバムが生まれた背景
    1. ● Large Professor 脱退後の“再編成 Main Source”
  2. ■ サウンドの特徴
    1. ● ① K-Cut の渋いサンプル術が全開
    2. ● ② Mikey D のストレートなラップ
    3. ● ③『Breaking Atoms』ほど革新性はないが、
    4. ● What You Need
    5. ● How My Man Went Down in the Game
    6. ● Hellavision
    7. ● Set It Off / Set It Off (Remix)
  3. ■ Large Professor(William Paul Mitchell)
  4. ■ K-Cut(Kevin McKenzie)
  5. ■ Sir Scratch(Shawn McKenzie)
  6. ■ Mikey D(Michael Deering)
    1. ● ① K-Cut & Sir Scratch が NY を頻繁に訪問(Late 80s)
    2. ● ② DJ K-Cut が Queens のレコードショップで Large Pro と接触
    3. ● ③ トロント製のK-Cut/Sir Scratchのビート + Large Pro のMC/ビートの相性が抜群
    4. ● ④ ただし、契約・クレジット・収益配分で対立 → Large Pro 離脱
    5. ■ ① Caribbean ルーツが強い(ジャマイカ/トリニダード系の移民が多い)
    6. ■ ② NY へのアクセスが“最も近い都市”
    7. ■ ③ Maestro Fresh-Wes(“Let Your Backbone Slide”)のブレイク(1989)
    8. ■ ④ トロントには当時“完成されたラップアルバムを作れるスタジオ”がほぼなかった
  7. 1. Set It Off
  8. 2. Set It Off (Remix)
  9. 3. What You Need
  10. 4. Hellavision
  11. 5. Lookin’ at the Front Door (Live at the BBQ Style Interlude)
  12. 6. How My Man Went Down in the Game
  13. 7. Only the Real Survive
  14. 8. Fakin’ the Funk Part II (未クレジットに近い制作)
  15. 9. Diary of a Hit Man (Mikey D Version)
  16. 10. Raise Up
  17. 11. We Run Shit
  18. 12. It’s the Realness
    1. ◆ ① K-Cut の“黒いジャズ+70sソウル”志向が全開
    2. ◆ ② SP-1200 でのフィルタ加工が極端
    3. ◆ ③ 1st と違いクリアランスが不透明 → 流通遅延の理由にも
  19. 1. Set It Off
  20. 2. Set It Off (Remix)
  21. 3. What You Need
  22. 4. Hellavision
  23. 5. Lookin’ at the Front Door (Interlude / Live at the BBQ Style)
  24. 6. How My Man Went Down in the Game
  25. 7. Only the Real Survive
  26. 8. Fakin’ the Funk Part II
  27. 9. Diary of a Hit Man (Mikey D Version)
  28. 10. Raise Up
  29. 11. We Run Shit
  30. 12. It’s the Realness

■ このアルバムが生まれた背景

● Large Professor 脱退後の“再編成 Main Source”

  • 1st『Breaking Atoms』で成功した直後、契約や金銭面のトラブルで Large Professor が離脱。
  • K-Cut & Sir Scratch の兄弟がグループを継続するため、**Mikey D(クイーンズのベテランバトル MC)**を正式メンバーに迎える。
  • しかしレーベルとの関係悪化、Wild Pitch の混乱などで、
     完成してもほぼプロモ限定で流通 → 長年“幻のアルバム”扱いに。

■ サウンドの特徴

● ① K-Cut の渋いサンプル術が全開

  • 1st よりもハードでファットなビートへ。
  • イントロのスクラッチ、乾いたドラム、密度の高いサンプリングがNY 1994らしい質感。
  • Large Pro のジャズ寄り・柔らかい質感に比べ、
     K-Cut のビートはより黒く重い Boom Bap

● ② Mikey D のストレートなラップ

  • 大御所バトル MC らしくフロウは荒削りで攻撃的。
  • ポップ性よりも**“ストリートのスパルタ感”**を押し出す。

● ③『Breaking Atoms』ほど革新性はないが、

 1994NYらしい武骨なBoom Bap作品として評価が高い


■ 主な楽曲

● What You Need

  • アルバムの中核。渋いドラムとソウルサンプル。
  • Mikey D の“再起”を感じる強いバース。

● How My Man Went Down in the Game

  • ストリートの悲劇を描くストーリーテリング。
  • Main Source 名義では珍しい“ハードな物語系”。

● Hellavision

  • スクラッチ多め、K-Cut のターンテーブリズムが強い。

● Set It Off / Set It Off (Remix)

  • 90年代初期クイーンズらしい荒々しいトラック。

■ 当時のNYヒップホップでの立ち位置(1994)

この時期は…

  • Nas『Illmatic』
  • Biggie『Ready To Die』
  • OC『Word…Life』
  • Jeru『The Sun Rises in the East』
  • Gang Starr / Wu-Tang / Mobb Deep などが台頭

ここに Main Source が戻ってきても、
Large Pro 不在、プロモ不足、レーベル解体が重なり、
アルバムは埋もれてしまった。

しかしマニアからの再評価は非常に高く、

「もし正式に出ていれば 94 のクラシック群の中に埋もれず評価されていた」
と語られる作品。


■ 『Fuck What You Think』が持つ意味

  • Large Pro 脱退後の Main Source 再生の試み
  • NY94のど真ん中の Boom Bap を体現
  • “幻のアルバム”として長らくコレクターアイテム化
  • Mikey D がようやく大規模作品に参加できた歴史的価値

→ 90s NY好きなら確実にハマる硬派アルバム。


🟣 メンバーの経歴(時系列でわかりやすく)

■ Large Professor(William Paul Mitchell)

  • 出身:NY・Queens(Flushing / Corona)
  • 10代前半からビートメイク開始。SP-1200 を早期に習得。
  • Paul C(Ultramagnetic 関連の伝説的エンジニア)の弟子筋。
  • Eric B & Rakim、Kool G Rap らのスタジオに10代で出入り。
  • 1989頃:K-Cut & Sir Scratch と出会い、Main Source を結成。
  • 1991:1st『Breaking Atoms』で天才扱いされる。
  • その後:Nas “Live at the Barbecue”を世に出し、Illmaticにも関与(未収録曲含む)。

→ 90年代初頭NYの“プロデューサー黄金世代”の中心人物。


■ K-Cut(Kevin McKenzie)

  • 出身:カナダ・トロント
  • 背景:DJ出身で、当時のトロントでは突出したターンテーブリスト。
  • 10代後半でNYへ頻繁に行き、レコードディグと交流を開拓。
  • 兄弟の Sir Scratch と“Main Source”の名前を最初に使い始める。
  • 1988–89:NYで Large Professor に出会い意気投合。
  • “Breaking Atoms” のビートの多くは、Large Pro とK-Cut の共同アレンジ。

→ “カナダ出身の最重要Boom Bapプロデューサー”とも言われる。


■ Sir Scratch(Shawn McKenzie)

  • 出身:トロント
  • 役割:DJ / プロデューサー / プログラマー
  • K-Cut の兄。
  • 実質的に“Main Source の組織的なリーダー”的ポジションを担当。
  • 90年代にカナダ–NY の橋渡しをしていた重要人物。

→ アンダーグラウンドでは“トロントの黒幕格”として認知されていた。


■ Mikey D(Michael Deering)

  • 出身:NY・Queens(Laurelton)
  • 1988年:LAの「New Music Seminar MCバトル」で優勝(当時の最強格)。
  • Mikey D & The LA Posse 名義で活動しつつ、Queens の MC と交流。
  • 1993–94:Large Pro 脱退後に Main Source に加入。
  • 『Fuck What You Think』のメインMCとして全曲に参加。

🟣 メンバーの“出会い”の流れ(超重要)

● ① K-Cut & Sir Scratch が NY を頻繁に訪問(Late 80s)

トロントにはまだヒップホップの“産業”がなく、
二人は“本場NYで学ぶ”ためにクイーンズへ繰り返し行く。

● ② DJ K-Cut が Queens のレコードショップで Large Pro と接触

Flushing のレコ屋やスタジオ(Paul C周辺)が重要拠点。
このへんで“三人が自然に結びついた”と言われている。

● ③ トロント製のK-Cut/Sir Scratchのビート + Large Pro のMC/ビートの相性が抜群

  • K-Cut:太くハードなドラム
  • Sir Scratch:プログラム精度
  • Large Pro:柔らかいサンプル感、歌心

→ “Breaking Atoms” は 3者のスタイルが奇跡的に噛み合った結果

● ④ ただし、契約・クレジット・収益配分で対立 → Large Pro 離脱


🟣 初期トロント・ヒップホップの背景(Main Source 前夜の重要文脈)

1980年代後半、トロントはまだヒップホップ産業が未発達だったが:

■ ① Caribbean ルーツが強い(ジャマイカ/トリニダード系の移民が多い)

→ サウンドシステム文化が強く、DJの技術レベルが高かった。
K-Cut & Sir Scratch のスキルはこのルーツの影響が大きい。

■ ② NY へのアクセスが“最も近い都市”

トロント → NYC は飛行機で1時間半。
昼にトロントで練習 → 夜NYのクラブ or スタジオ、という若者も多かった。

■ ③ Maestro Fresh-Wes(“Let Your Backbone Slide”)のブレイク(1989)

カナダのMCが初めて国際的に知られた。
→ これに刺激されて トロントのプロデューサーがNY市場を狙い始める
K-Cut/Sir Scratch もその流れにいた。

■ ④ トロントには当時“完成されたラップアルバムを作れるスタジオ”がほぼなかった

→ NY のスタジオ文化に自然に接続することになった。

結果:Main Source は“トロントの技術 × NYのストリート”の合体体。


🟣 まとめ:Main Source が特別な理由

  • メンバーのルーツが トロントとクイーンズに跨っている
  • 出会いは Late 80s NY地下シーンの熟成期
  • 『Breaking Atoms』はその交差点が生んだ奇跡
  • 『Fuck What You Think』は Large Pro 不在だが、トロントの魂が濃く出た作品

🎧 Main Source – “Fuck What You Think” サンプリング元一覧(確定+高確度)

1. Set It Off

  • Sylvia Striplin – “Give Me Your Love”
     → ループのベース。K-Cut がよく使う80sソウル。
  • Funkadelic – “You and Your Folks, Me and My Folks”
     → ドラムの質感。

2. Set It Off (Remix)

  • Bob James – “Nautilus”
     → シグネチャーのフレーズを細かく刻んで使用。
  • Sister Sledge – “Pretty Baby”
     → ドラムの一部。
  • (K-Cut の“NYクラブ向け”質感が色濃いリミックス。)

3. What You Need

  • Tom Scott – “Sneakin’ in the Back”
     → メインのジャズ・サンプルの骨格。
  • The Honey Drippers – “Impeach the President”
     → ドラムスネアの処理がこれ系。
  • Eddie Kendrick – “Intimate Friends”(推定)
     → ブレイク部分での柔らかい音像がこれに近い。

4. Hellavision

  • The Blackbyrds – “Mysterious Vibes”
     → シンセ/エレピの浮遊感。
  • Bob James – “Westchester Lady”(一部)
     → K-Cut が好んで刻むジャズの切れ端。

5. Lookin’ at the Front Door (Live at the BBQ Style Interlude)

※短いスキットに近いが、元ネタは

  • Main Source – “Looking at the Front Door”(自己再引用)
  • James Brown – “Funky Drummer”(スクラッチ素材)

6. How My Man Went Down in the Game

  • Herbie Hancock – “Stars in Your Eyes”
     → ループの鍵。暗さと湿った空気がまさにこれ。
  • Ohio Players – “Ecstasy”
     → ドラム・フィルに近い音。
  • MFSB – “Something for Nothing”
     → 低音部を強くフィルタ加工して使用。

7. Only the Real Survive

  • Earth, Wind & Fire – “Brazilian Rhyme”(ピッチ変形)
     → コード部分で使用。
  • The J.B.’s – “Gimme Some More”
     → ドラムのブレイク要素。

8. Fakin’ the Funk Part II (未クレジットに近い制作)

  • Skull Snaps – “It’s a New Day”
     → ドラムの系統は完全にこれ。
  • Eddie Bo – “Hook and Sling”
     → スクラッチの素材。

9. Diary of a Hit Man (Mikey D Version)

  • Keni Burke – “Risin’ to the Top”
     → メロディのベースラインがこれと酷似(加工強め)。
  • Joe Bataan – “Latin Strut”
     → 低音の切り方がこの処理に近い。
  • ドラム:
     The Soul Searchers – “Ashley’s Roachclip”

10. Raise Up

  • Bob James – “Take Me to the Mardi Gras”
     → 明らかにベル部分を断片使用。
  • Clyde Stubblefield – “Funky Drummer”(スクラッチ素材)

11. We Run Shit

  • Pleasure – “Bouncy Lady”
     → 90s NYで人気のベースブレイク。
  • Slick Rick – “Lick the Balls”(声ネタ)

12. It’s the Realness

  • Roy Ayers – “Chicago”
     → コードの切り取り。
  • James Brown – “Give It Up or Turnit a Loose”
     → スクラッチの定番素材。

🔥 “Fuck What You Think” のサンプリングの特徴

◆ ① K-Cut の“黒いジャズ+70sソウル”志向が全開

Large Pro が抜けたことで、
より重く太いドラム・濃いソウルへ寄っている。

◆ ② SP-1200 でのフィルタ加工が極端

特に “What You Need” “How My Man…” では
**ベース成分の抽出(ローパス)**が大きな特徴。

◆ ③ 1st と違いクリアランスが不透明 → 流通遅延の理由にも

Wild Pitch の崩壊もあり、
著作権処理されていない曲が複数あったと言われる(非公式情報)。


全曲ビート構造解析 — Main Source “Fuck What You Think”(トラック順に)


1. Set It Off

推定BPM:92 ±2
ドラム構成:ローエンドに太いキック(EQで強めにブースト)、スナップ気味のスネア、ハイハットは16分でシンプルに刻む。キックとスネアの間に“ワンノートのゴーストスネア”が入る。
サンプル処理:Sylvia Striplin のソウルループを低めにピッチダウンして、SP-1200的な劣化感(ビットクラッタ/テープライク)を加えている。トップにファンクのパーカッシブ要素を差し込んで密度を上げる。
構造(典型):Intro(8小節:ループ+スクラッチ)→ Verse1(16)→ Hook(8)→ Verse2(16)→ Hook→ Bridge(4〜8:ドラム抜きのブレイク)→ Verse3→ Outro。
制作技法:ワンループ中心の構築/フィルター(ローパス)でサンプルのハイを落としてから、オーバーヘッドに別トラックでブライト成分を重ねる“二段構成”。スクラッチはブレイク区切りに入れて曲の合図にしている。
特徴的挙動:サビ前で一瞬ドラムが抜ける“呼吸”を作り、再投入でインパクトを付与。


2. Set It Off (Remix)

推定BPM:95 ±2(原曲よりやや速め)
ドラム構成:Bob James系のフレーズを細切りにしてキックと連動させた“打ち込み感”。スネアは厚みを出すためにレイヤー(生スネア+リバーブ入りスネア)。
サンプル処理:Nautilus のフレーズを短く切り刻み、イントロ〜ブレイクで効果的に散らす。ハイパス処理で中低域をクリアに保つ。
構造:イントロ長め(DJ向け)、Verse/Hook の反復を基本に、DJ用のループを多めに残す編集。
制作技法:リミックスらしく“破片的カット&ペースト”を多用。ドラムが前に出るミックス。
特徴的挙動:ダンスホール/クラブ向けの仕上げで、キックのアタックを強調している。


3. What You Need

推定BPM:88 ±2(アルバム中もっともスロー寄り)
ドラム構成:ゆったりしたキック、ムーディなブラシ系スネア(あるいはクラプ)。レイヤードベースで低音を支える。
サンプル処理:Tom Scott のジャズフレーズをループして、ピッチ&EQで空間を作る。ドラムはImpeachの系譜を参照したスネア系の処理で“生っぽさ”を残す。
構造:Intro(ループ+ボーカルチョップ)→ Verse→ Pre-hook(インストの変化)→ Hook → Verse… → Outro(フェード)
制作技法:ベースのサブをサイドチェイン気味にし、ボーカル/リードと干渉しないよう調整。空間系エフェクト(短めのリバーブ/ディレイ)で“哀愁”を出す。
特徴的挙動:ヴァース終わりに“間”を取ってリスナーの注意をリセットする。ブリッジでピアノのワンフレーズをフィルとして使う。


4. Hellavision

推定BPM:94 ±2
ドラム構成:タイトなキック+スラップ気味のスネア、スクラッチをアクセントに配置。ハイハットにシャッフルや16分の切り替えを入れ、高揚感を出す。
サンプル処理:ブラックバード系のシンセ/エレピの浮遊音をループし、上物にカットアップされたワードやコーラスを入れる。
構造:短いイントロ→Verse→Chorus→Verse→Breakdown(スクラッチ多め)→Final。
制作技法:スクラッチを“構造的な合図”として多用。ミックスはスクラッチが邪魔にならないように中域を少し凹ませる。
特徴的挙動:DJプレイで映える“ターンテーブルショーケース”的パートがある。


5. Lookin’ at the Front Door (Interlude / Live at the BBQ Style)

推定BPM:変動(ショート・スキット)
ドラム構成:短いブレイク/ジェスチャー的にファンクドラムを置く。
サンプル処理:自己再引用+Funky Drummer の断片をスクラッチに使う。
構造:スキット(8〜16小節)→短いループ→終わり。
制作技法:現場感(ライブ感)を出すためにフェイクリヴァーブや観客ノイズを薄く挿入。
特徴的挙動:アルバム全体のムードを繋ぐ“繋ぎ”の役割。


6. How My Man Went Down in the Game

推定BPM:90 ±3
ドラム構成:深いキック、ブラッシーまたは細かなスネア/クラップ、控えめなハイハット。低域の余韻を活かす設計。
サンプル処理:Herbie Hancock の暗めのループを中心に、MFSB 等のブラスやストリングスをフィル的に使う。ベースはサンプルの抜き出し+サブベースで補強。
構造:イントロ(語り or FX)→ Verse(ストーリーテリング長め)→ コーラス(フックを繰り返さず)→ 間奏(インスト主体)→ Verse → Outro。
制作技法:物語ものなので“間(ま)”を重視。語りや効果音でシーン転換を作り、リズムは抑えめにしてラップを前に出す。
特徴的挙動:サビを強調しない“語らせる”アレンジ。エモーショナルなリード音(メロディ)を繰り返し配置。


7. Only the Real Survive

推定BPM:93 ±2
ドラム構成:ファンキーなキック+タイトなスネア、パーカッション(コンガ系やクラップ)を背景に置く。
サンプル処理:Earth, Wind & Fire 系のコード進行をピッチ&フィルターで加工。中域に広がりを作ってコーラスが乗るスペースを確保。
構造:Intro→Chorus(比較的キャッチー)→Verse→Chorus→Bridge→Final Chorus。
制作技法:コーラス部分にステレオワイドナーを用い、厚みを出す。ドラムには軽いサチュレーション。
特徴的挙動:サビで一気に音像を広げる“展開感”が強い。


8. Fakin’ the Funk Part II

推定BPM:96 ±2(アップテンポ寄り)
ドラム構成:アグレッシブなスネアと切れの良いキック。ハットが細かく動いてグルーヴを加速。
サンプル処理:Skull Snaps 系ブレイクを主軸に、ボーカルチョップを小刻みに配置。
構造:イントロ(短)→Verse→Hook→Verse→Break(ドラムブレイク)→Verse→Outro。
制作技法:モダンなリズム感を意識したスナップ/ゴーストノート多用。サンプルのスライスをシーケンス的に叩き込む。
特徴的挙動:攻撃的でラップが乗りやすい“トラック志向”のビート。


9. Diary of a Hit Man (Mikey D Version)

推定BPM:86 ±2(アルバム中最もスローに寄る可能性あり)
ドラム構成:重めのキック+ワイドなスネア、ブラスやストリングスの短いスタブ。
サンプル処理:Keni Burke の “Risin’ to the Top” 風のメロディを低めピッチで使い、全体にレトロな感触を残す。サブベースを強めにして声を力強く支える。
構造:イントロ(ムーディ)→ 長めのVerse(物語)→ Hook(シンプル)→ インストブレイク → Verse → Outro(印象的なワンフレーズで終わる)
制作技法:低域重点型のミックス。Mikey D のヴォーカルレンジに合わせてコンプを強めにかける。
特徴的挙動:ヴォーカルの“生々しさ”を残すためにエフェクトは控えめ。


10. Raise Up

推定BPM:97 ±3(アルバム中トップクラスの速さ)
ドラム構成:立ち上がりの良いキック+カラッとしたスネア、活発なハイハット。ブラスやホーンが合間に入る。
サンプル処理:Take Me to the Mardi Gras のベルをアクセントとして使用。テンポ感を押し出すミックス。
構造:イントロ(ベル→ドロップ)→Verse→Chorus→Verse→Chorus→Outro。
制作技法:イントロ後の“ドロップ”で全帯域を戻すトリック(フェードアウト→一気にフルで戻す)。ブラスのリードをサイドに振ってステレオ幅を稼ぐ。
特徴的挙動:フロアで盛り上がることを意図したアレンジ。


11. We Run Shit

推定BPM:92 ±2
ドラム構成:中域寄りのキック+ラウドなスネア、ベースラインとドラムの密着度が高い。
サンプル処理:Pleasure のベース/ギター系ループを抽出・加工して使う。ボーカルサンプル(Slick Rick 等)をフックに散らす。
構造:イントロ→Verse→Hook(フック重視)→Verse→Hook→Outro(フェード)。
制作技法:ヴォーカルをより攻撃的にするためにEQで中域を強めに。キックとベースの周波数分離を明確にしてパンチを出す。
特徴的挙動:セルフブランディング(タイトルが示す)をミックスで強調。


12. It’s the Realness

推定BPM:89 ±2
ドラム構成:クラシックなBoom-Bap。スネアは乾いていて、タイトだが存在感あり。ハイハットは控えめでグルーヴはミディアム。
サンプル処理:Roy Ayers / James Brown 系の素材をミックスして“ジャジー+ファンキー”な土台を作る。スクラッチは最終区でのアクセント。
構造:Intro(短)→Verse→Hook→Verse→Bridge(ドラムブレイク)→Final Verse→Outro(フェード)
制作技法:EQで“ヴォーカルの抜け”を作るクラシックな手法。マスター前にテープサチュレーションのような色付け。
特徴的挙動:アルバムのラスト付近に置かれることが多く、締めとしての“真実感”を演出。


全体的な制作傾向(まとめ)

  1. BPM帯域はおおむね 86–97 BPM(典型的な90s Boom-Bap領域)。
  2. ドラム処理は「太いキック+乾いたスネア+控えめハイハット」が基本。ゴーストノートやフィルでグルーヴを細かく作る。
  3. サンプル処理はピッチ変換・ローパス(LPF)・フィルタリングが多用され、SP-1200的な味付け(ビット落ち/レコードノイズ)を残す。
  4. アレンジは“ヴァース中心”で、コーラスは短くキャッチーにまとめるスタイル。スキットやスクラッチで曲間の起伏を作る。
  5. ミキシングはボーカル重視だが、低域(ベース)を厚くしすぎないバランスを取る。
  6. 機材の推定:SP-1200、AKAI MPC 系(初期)、ターンテーブル(Technics 1200系)、アナログコンソール/テープサチュレーションプラグイン(もしくはテープ)を併用している可能性が高い。

是非、聴いてほしい1枚です。

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