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20s hiphop『NATURE』

Life is...

Nature(ネイチャー)出身地・背景

  • 本名:Jermain Baxter
  • 出身地ニューヨーク・クイーンズ/クイーンズブリッジ(QB)
  • 所属クルーThe Firm(Nas / AZ / Foxy Brown / Cormega → Nature)

Nature はもともと Cormega の代役的ポジションで The Firm に加入。
90年代後半の QB では Nas以降の“リアルQB路線”を担う存在として期待されていたラッパー。


『For All Seasons』概要

  • リリース:2000年
  • レーベル:Columbia Records
  • Nature唯一のメジャー・フルアルバム

タイトルの “For All Seasons(四季を通して)” は、

クイーンズブリッジの日常、成功と失墜、ストリートと業界の寒暖差
を四季になぞらえて描く、という意味合い。


アルバム全体の方向性

① クイーンズブリッジ直系のストリート叙情詩

Nature のラップは:

  • 派手なテクニックより 語り口
  • QB特有の
    • 冷静
    • 乾いた
    • 観察者目線

Nas や Cormega の系譜にある
**「感情を抑えたリアリズム」**が中心。


② 90s後半〜2000年NYの「過渡期感」

このアルバムはまさに:

  • 90sブームが終わり
  • Jay-Z 的な洗練と
  • DMX 的な荒々しさが共存していた時代

👉 Nature はどちらにも完全には振り切らず、
90s的ストリートラップを2000年に持ち込んだ存在


主なプロダクション特徴

プロデューサー陣

  • Trackmasters
  • DJ Clue
  • Dame Grease
  • Havoc(Mobb Deep)
  • Nas(エグゼクティブ関与)

👉 QB〜NY王道の布陣。


サウンドの特徴

  • ドープでスモーキーなビート
  • 派手すぎないクラブ対応曲
  • ピアノ/ストリングス多用
  • 低音は重いが、ミックスはやや2000s寄り

👉 「The Infamous」ほど生々しくはないが、
商業寄りになり切らない中間地点


リリックのテーマ

Nature が一貫して語るのは:

  • 成り上がりの現実
  • 仲間との距離
  • クルー内の緊張
  • 音楽業界への不信
  • QBから見たNY全体

特徴的なのは:

  • 自慢よりも警戒
  • 成功よりも不安
  • 勝者のラップではなく
    “勝ちかけている男の視点”

代表曲の傾向(ざっくり)

  • 「Ultimate High」
    → QBの空気を最も体現した1曲。冷たいビート+内省的リリック
  • 「Banned from TV」
    → Nature最大のヒット。
    Noreaga / Cam’ron / Big Pun参加
    👉 アルバム内では異色のストリート・アンセム
  • 「I’m Not Ashamed」
    → 自身の立場・批判への応答

NYヒップホップ史での位置付け

✔ 評価が割れた理由

  • Nature自身のキャラが
    「地味」「玄人向け」
  • The Firm のブランドが
    すでに下り坂
  • 2000年は
    Jay-Z / DMX / Ruff Ryders 全盛期

👉 時代とズレたが、内容はブレていない


✔ 今聴くと評価される点

  • QBの最後の純正ストリート感
  • Nas以降のリアルQB視点の記録
  • 90s→2000sのNYの空気をそのまま封じ込めた作品

① The Firm 結成前:QB内部の「次世代枠」

クイーンズブリッジ内ヒエラルキー

  • Nas:QBの象徴/絶対的存在
  • Mobb Deep:ストリート側の実行部隊
  • Cormega:Nas直系のリアリズム継承者
  • Nature
    👉 Cormegaの少し後ろにいた“次世代候補”

この時点の Nature は:

  • 派手さなし
  • だが QB内部では評価が高い
  • Nas の初期デモ段階で名前が挙がる存在

② The Firm 初期構想:本来は Cormega が正規メンバー

オリジナル構成(1996)

  • Nas
  • AZ
  • Foxy Brown
  • Cormega

👉 Nature は この時点ではメンバーではない


③ Cormega 脱退 → Nature 緊急加入(1997)

Cormega 脱退の理由(超重要)

  • Nas / Trackmasters 主導の
    商業路線への拒否
  • 自身のストリート哲学との不一致
  • 契約・ロイヤリティ問題

👉 Cormega 脱退により
The Firm に“QB枠の穴”が空く


Nature 加入の意味

Nature は:

  • QB出身
  • Nas の信頼圏内
  • 比較的「扱いやすい」

👉 “Cormega の代替”として急遽昇格

ただし:

  • 物語性・カリスマ性では Cormega に及ばない
  • 自身の色を出す余地はほぼ無し

④ The Album(1997)時代:最も居心地の悪いポジション

The Firm『The Album』での扱い

  • 出番はあるが 中心ではない
  • Nas / AZ / Foxy が前面
  • Nature は 補助的QB代表

Natureの立ち位置:

  • 主役ではない
  • しかし“外様”でもない
  • 「いて当然だが、語られない存在」

音楽性のズレ

  • Nature:
    • ロウ
    • ストリート
    • 抑制的
  • The Firm:
    • ラグジュアリー
    • マフィア路線
    • 商業志向

👉 根本的に相性が悪い


⑤ The Firm 崩壊後(1998–1999):宙ぶらりん期

グループ崩壊後

  • Nas:方向転換(Nastradamus期)
  • AZ:ソロ回帰
  • Foxy:Def Jamへ
  • Nature:
    👉 居場所を失う

この時期の Nature は:

  • Nas との関係は維持
  • だがプッシュは弱まる
  • ソロ準備に回される

⑥ 『For All Seasons』(2000):独立した語り部へ

ソロでの再定義

Nature はここで:

  • The Firm 的な華やかさを捨て
  • QBの現実を淡々と語る
  • **“The Firm の一員”ではなく
    “QBの記録係”**として立ち直る

👉 The Firm の色はほぼ排除。


⑦ 後年の再評価:The Firm の「影の存在」

現在の評価

Nature は:

  • The Firm の中で
    最も時代に合わなかった存在
  • だが同時に
    最もQBらしかった存在

Cormega が:

「拒否して去ったQB」

なら、

Nature は:

「残って飲み込まれたQB」


まとめ(超重要)

Nature の立ち位置変遷を一言で言うと:

“Cormega の不在を埋めるために呼ばれ、
The Firm の色に染まれず、
最後にQBへ戻った男”

『For All Seasons』は:

  • クイーンズブリッジの
    “静かな語り部”Nature の記録
  • 派手さはないが
    誠実で嘘のないNYストリート・アルバム
  • 90s NYが終わる瞬間の
    空気感そのもの

是非、聴いてほしい1枚

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